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MBBC_23_coffee.jpgCoffee :ALPSCITY COFFEE(アルプスシティ・コーヒー)
・City Blend (エチオピア・ガテマラ・インドネシア / 中深煎り)
・Nature Blend (マンデリン・タンンザニア / 深煎り)

2016年5月にリリースとなったALPSCITY COFFEE。「Matsumoto BBC」から生まれたコーヒープロジェクトで、「松本の街」をイメージしたコーヒーを2種類の風味で表現しました。

「City Blend(シティ・ブレンド)」は、華やかでフルーティな香りが広がるのが特徴ですが、コクも感じていただけるエチオピアベースの中深煎りブレンド。城下町、文化・歴史・芸術が根ざした凛とした空気感を感じる街の中で、軽やかに行き交う人々をイメージしています。

「Nature Blend(ネイチャー・ブレンド)」は、松本平を囲んでいる雄大な山々や緑豊かな自然の中で飲んでいただくようなコクとどっしり感を出したマンデリンベースのブレンド。スモーキーな「焚き火」感を出すために直火焙煎したタンザニアを加えています。

ALPSCITY COFFEE(アルプスシティ・コーヒー)
http://www.alpscitycoffee.com
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MBBC_23_breakfast.jpgBreakfast:DRESS − 和える −

「dress」素敵なことばだなと思います。衣装などの意味の他に、動詞では身支度をする、整列する、手当てする、仕上げる、きれいに整えるというような広い意味合いが。その中に「和える」という意味があり、ドレッシングか!なるほど!と納得した言葉です。お料理は、組み合わせも方法も無限ですが、私はその時その時で食材の声と季節の声、身体の声を聴きながら、食材そのものが生き生きと嬉しそうな姿に仕上がるようイメージしながらdressingしています。今日も彩り豊かな一日がはじまりますように。

・ごぼうときのこのブラウンポタージュ
豆と温キャベツのマリネ
根菜と高野豆腐の炒め
・なすと生姜の揚げ浸し
・鶏そぼろと野沢菜のごはん
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MBBC_23_book.jpg本日の書籍紹介:西原 智美さん(作業療法士)

私は作業療法という、リハビリテーションの仕事をしています。

「作業療法」とは、聞きなれない言葉かもしれませんが、英語では「Occupational Therapy」と言います。直訳すると、Occupiedは「占有する、ふさがる」ですが、派生して「没頭する、没入する」意味があります。

すなわち、何かに自ら夢中になって取り組むことで、その人自身のこころの安定を図ったり、からだの機能回復を促したり、作業や作品を介してセラピストや周りの人たちとの交流を図るなど、目的を持って処方される治療法です。「楽しい」「嬉しい」「気持ちいい」と感じながら行う作業は、脳に非常に効果的に入力されると言われています。

作業療法を処方される対象者は多岐にわたり、病気やケガなどでからだが動かしづらくなった方、こころの病をもつ方、成長していくなかで何らかのハードルを抱えるお子さん、年齢を重ねて認知症や体が動かしづらくなった高齢の方などがいらっしゃいます。

私は、こころの病を持った人たちの、日中の活動を支援する「デイケア」という場所でお手伝いをしています。デイケアのプログラムは集団で行っています。内容は、日々の健康管理や季節の行事まで幅広いのですが、人気のプログラムの一つが「料理」です。

何かを自分の手で作って、自分で食べるということは、それだけのパワーを与えてくれるのだと私は感じています。かくいう私も、料理したりパンやお菓子を作ったりすること、食べることがとても好きです。夜寝る前に、レシピの本を眺めながら眠りにつくのが至福の時間です。

そんな私が本日紹介したい本は『諸国空想料理店』という本です。

高山なおみ『諸国空想料理店』ちくま文庫、2005年。

本屋さんでこの本を手に取ったのは、たしか、ぱらぱらとめくった時に、文中に挿入されたレシピが目について、あ、料理の本だな、と思ったからです。

家に持ち帰って本を広げてみたら、いい意味で期待を裏切られました。文章の隙間から、さまざまな料理や土の匂い、人々の体臭、町を包む音や匂いが流れだしてくるような感覚に襲われました。

最もその感覚を味わったのは、第二章「旅のにおいのするごちそう」です。高山さんは、旅の最中に食べ物日記をつける習慣があるそうです。帰国してからその日記を眺めていると、テーブルの柄、クロスの肌触り、皿の材質や色、料理の味やにおいを手掛かりに、その日あった出来事を思い出すのだそうです。そして「うずうずして」料理を作るのだとか。

そんな忘れられない旅先の匂いと味の記憶が、私にもあります。

22歳の春、私は高校時代の友人と卒業旅行でメキシコ・ペルーの旅に出かけた時のことです。地元の人が乗る2等バスに乗った時、私たちは運よく座れましたが、座れなかった人たちは通路や座席に折り重なるように横になって乗っていました。バスが停まるたびに果物売りが乗ってきたり、「ボーナリー、ボーナエー」と施しを求める盲目の人が乗ってきたり、今まで感じたことのない雰囲気、臭い、匂いに包まれていました。それは人々の体臭や、体や服に染み付いた食べ物、スパイスの香り、南米の果物の香りだったのかも知れません。

ペルーでも、安い2等バスで内陸を移動しながらリマに向かいました。くる日も来る日も鶏肉(スペイン語でpolloといいます)の料理を食べ続けていたので、最終目的地のリマにたどり着き、最後の晩に食べた、とびきり活きの海鮮で作ったセビッチェ(レモン、ライム、コリアンダーでマリネした海鮮料理)を口にしたとき、しびれるような感動を覚えました。「ああ、生きてる!」と。

そして成田空港に帰ってきて、トイレに入った時に、強烈な違和感を感じたのを今でも覚えています。「なんだか綺麗すぎる…」「清潔すぎてなんの香りもしないんだな」と。
そんな、いろいろな匂い、うずうずするような感覚を、この『諸国空想料理店』は思い出させてくれました。

最初に作業療法の話をしましたが、勉強する分野は解剖学や生理学、病理学、神経学、運動学など幅広くあります。今回、この本を読みながら記憶の中の「匂い」を感じている中でふと、脳神経のことを思い出しました。

脳神経とは、脳から直接出ている末梢神経のことで、12対あります。その中でも第1番に据えられているのが「嗅神経」、すなわち「嗅ぐ」専門の知覚神経なのです。

2番が視神経、すなわち「見る」。顔で風や気温などを感じるのは5番三叉神経、7番顔面神経は舌の前3分の2を支配して「味」を感じます。耳で「聞く」のは8番内耳神経、舌の前3分の1で「味わう」のは9番舌咽神経、10番迷走神経といいます。

この順番は、頭の一番深いところから分岐していく順で決められたものですが、嗅神経は発生学的に古い系の神経ですので、嗅ぐという行為は、生物の根本的な欲求であり行為なのだと私は思います。

ほかの生物に比べると人の嗅覚は発達していませんが、それはほかの「みる」「きく」「かんじる」「あじわう」といった知覚神経が、総合的に発達しているためです。ゆえに、人は食べる楽しみを知り、美味しさを仲間と分かち合い、その文化を大切にしてきたのではないかと私は思います。

そんな「香りを嗅いで」ふと、旅した土地や、その地で暮らした日々を思い出したり、その風を感じたことが、皆さんにもあると思います。

今日は、この『諸国空想料理店』の紹介をきっかけにして、「旅と香り」をテーマにシェアができたらいいなと思います。
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Matsumoto BBC vol. 23 を終えて

いよいよ、通常の形式での最後のMBBCも終わってしまいました。リピーターの方も、初めての方も、楽しそうに語らっていたのが印象的でした。松本に、2年間限定ではありましたが、このような場所が生まれたことが、これからの松本にいい影響を少しでも与えられたらと望みます。そして、この会が、1回も欠けることなく、2年間続けられたのは、多くの人に支えて頂いたからだと思います。参加して下さったすべての方を含め、この場を借りて感謝申し上げたいと思います。

さて、次回(2017年2月)が、いよいよ、本当の最終回です。最終回は、拡大バージョンで、トークライブ形式の本紹介を計画しています。朝食も立食形式で、多くの人と交流が持てる仕掛けを考えています。最終回のMBBCも、どうぞ、よろしくお願いします。

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