「朝の文化」という提案を松本の街に対してしてみたいという思いからはじまったMatsumoto BBC。最近何だか「朝」が気になる、という方。「朝の時間をもっと有効に使えたらいいのにな」とお考えの方。Matsumoto BBCは、そんな方々に「朝」を思い切り楽しんでもらうために、2年間限定でスタートしました。
BBCとは、本(Books)・朝食(Breakfast)・コーヒー(Coffee)の略。季節を感じる美味しい朝食と、思わず豆のクオリティについて語りたくなるようなコーヒーを楽しみつつ、人生を豊かにしてくれるような、面白い本に出会える仕掛けを備えたイベントでした。会場は、松本市中町にあるカフェ「amijok」。月に1回のペースで行われていました。
「ナイトライフ」に様々な楽しみ方があるように、「モーニングライフ」だって、もっともっといろいろな楽しみ方があってもいいはず。Matsumoto BBCは、モーニングライフの過ごし方の1つの提案でもありました。
このイベントに参加してくれた方々から、「朝」についての意識が変わった、生活スタイルを見直すきっかけになった、このイベントを楽しみに日々の生活を頑張ったなどなど、うれしい声をたくさん聞くことができました。「朝の似合う街・松本」の「朝」が、ますます楽しく、魅力的なものになりますように!2年間、本当にありがとうございました。
Matsumoto BBC × amijok 誕生までのストーリーはこちらから。
「Matsumoto BBC × amijok の始まり」「amijok の『朝』への想い」
以下のメディアで「Matsumoto BBC」を取り上げて頂きました。ありがとうございました。
・2016年12月10日「参加者がお薦め本紹介」『信濃毎日新聞 松本平タウン情報』
・2015年「地域とつながるローカルスポット」『TURNS』Vol. 14
・2015年「松本の朝を面白く!新たなプロジェクトを始めました」『チルチンびと山梨・長野』2015
・2015年5月25日「松本・中町のカフェで「朝食&本&コーヒー」朝活」『松本経済新聞』
・2015年5月20日「本とコーヒーで朝の交流」『市民タイムス』
Matsumoto BBC × amijok の始まり
私たちが、「その街の朝を面白くする」プロジェクトを松本で始めようと思い立った時、パートナーとして頭に浮かんだお店がいくつかありました。どのお店もステキで、どのお店のオーナーも魅力的な人ばかりで、誰にこの話を持ちかけようかといろいろ悩みました(近所に悩むほど好きなお店が溢れているというのは、松本ならではの贅沢な悩みです!)。
そんな中で、「まずはamijokさんに相談してみよう」と思った大きな理由は「光」でした。夜のお店を演出するのは、人工的な光であり、これはライトや機材を揃えれば何とでもなるのですが、朝の魅力は何といっても「自然光」です。こればかりは、人間の力だけではどうすることもできません。
その点、私たちがamijokさんに通う理由の1つが、「光の具合」だったのです。うまく言葉で表現できませんが、いわゆる「南向きで太陽の光がいっぱい入って明るい」というのとはまた違う、amijokさんの店内に流れる穏やかで柔らかい光の具合は実に魅力的です。オーナーのお二人のお人柄も、独特の空気感を作り出しているのだと思います。
私たちは、よくワクワクするようなアイデアをひねり出して実現させていくための「ブレイン・ストーミング(ブレスト)」をすることがありますが、どこでミーティングを行うのかという「場所」は、アイデアの質を高める上でとても重要な要素だと信じています。そんな私たちが、何度となく「ブレスト」を行ってきた場所がamijokさんなのです。そして、Matsumoto BBCのアイデアを思いついたのも、実は、amijokさんでのブレスト中でした。
Matsumoto BBCでは、朝と本とコーヒーを愛する人々がオフラインで出会い、交流するきっかけになればいいなと思っています。その結果として生まれた、新しいアイデアや新しいプロジェクトが、松本や日本や世界をますます魅力的に変えていくことができればさらにいいなと思っています。
amijok の「朝」への想い
「朝」を強く意識するようになったのは、ちょうど1年くらい前のことだったと思います。
息子が生まれてからしばらくの間、お店の営業を夜の8時までとしていました。お店を閉め、片付けを終えると夜の10時や11時。夜御飯は、それからという生活が続いていました。お店でたくさんの方とお話しできる楽しい時間ではあるのですが、いつからか心の余裕のなさが顔の表情や雰囲気に表れてきました。確かに家族全員が同じ空間にいるのだけど、一緒にいる感覚がない。そんな時期が続いてしまいました。
もう一度初心に返り、お店をオープンさせた時の思いを振り返ってみました。amijokのコンセプトは、「つながり」です。人と人、人とモノ、人とコトなど。そして、自分たちが笑いながら、その場にいたい。その思いを忘れたことはありませんが、いつの間にか、どこか根本的なところで笑えていない自分たちがいたのです。
このままではいけないと、思い切ってお店の営業時間を朝10時から夜6時までに変えました。朝の効率的な時間の使い方が、この状況を打破するための助けになるのではと考えたのです。生活も思い切って「朝型」にシフトさせました。今では、5時や5時半に起床し、軽くランニングをして、戻ってきてお湯を沸かして、朝のコーヒーを楽しむところから1日のスタートを始めています。息子が起きてくるのはその頃。すでに体中にエネルギーが行き渡った状態で、起きてきた息子に「おはよう」と声をかけられる喜びを知ることができました。
「朝」を意識することで、「夜がんばることを手放す!」という術を身につけたことも収穫でした。夫婦揃って「朝の効用」を意識しながらの生活を送るようになっていたのです。ちょうどその頃、Matsumoto BBCの話を持ちかけられました。
月に1度とはいえ、朝の8時からお店を開くということは、相当大変なことだということは十分わかっていますが、それでもいいチャンスだと思い、「とにかくやってみよう」という気持ちになりました。自分たちの可能性と共に、お店や「松本」という場所の可能性を試す絶好の機会だと思ったのです。
以前から、この街はサイズ感が「ちょうどよい」なと思っていました。松本を散策するときに、いい意味で車だと不便で、自転車や歩いて巡るといたる所で知り合いに会います。「やぁ、どうも。元気?」みたいな軽い挨拶をして「じゃ、また!」と言って別れる。こんなフラットな関係がたくさん生まれる心地よい街です。そのことと私たちが今注目している「朝」が、このプロジェクトを通じてつながれば本当に面白い。そう感じました。ちょっと先の未来、といえば大げさですが、いつか松本の朝の街に「やぁ、どうも。」と言ってコーヒーや本を片手に行き交う人たちが溢れたら嬉しいです。
日々のルーティンワークをこなす中で、たまに入るイレギュラーさは、多くのことを気づかせてくれます。参加者が、河原で摘んできてくれたお花をテーブルに飾ることで、また、食材の移り変わりを感じることで、季節や自然を感じることができます。何よりも、眠そうな顔で入ってきた参加者が、清々しい顔でお店を出発し、ここで出逢った方々が笑いながら歩いていく姿を見ると、チャレンジしてよかったなと思います。
毎月のコーヒー選び、毎月の朝食レシピの研究。心地のよい緊張感はありますが、私たち自身も、今後の展開を楽しみにしています。
amijok 店主
小島 剛・圭
http://amijok.com
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